太陽光発電所売却にかかる税金は?事前に把握しておこう!

公開日:2022/08/15   最終更新日:2022/08/17

 

太陽光発電所の売却で、主に意識すべきは所得税です。理由は税金の計算に慣れていない方にとっては仕組みが少々複雑ですし、理解していないと損をしかねないから。所得税について知っておくことで、得をするかもしれません。太陽光発電の売却でかかるもう一つの税金、消費税とあわせてみていきましょう。

太陽光発電所の売却にはどんな税金がかかる?

売却にかかる税金は、所得税と消費税の2種類です。このうち単純なのは消費税、売却することで手にした金額には消費税が含まれているため、確定申告の際に支払わなければなりません。たとえば太陽光発電所が200万円で売れたなら、納めなくてはいけない消費税は約181万円、売却額を1.1で割ることで簡単に求めることができます。

利益にかかるのが所得税

一方で計算がややこしいのは所得税です。所得税とは手にした所得にかかってくるものですが、サラリーマンの方の多くは源泉徴収されているため、意識することはあまりないでしょう。まず理解しておきたいのは、所得税は収入にかかるのではないというところです。収入ではなく利益にかかるのが所得税、太陽光発電所を売って得た金額そのものにかかるのではありません。所得税の税率は最大で45%となっています。

太陽光発電所の売却時の所得税とは

所得税を計算する前に、まずは所得税の対象となる利益(売却益)の計算から始めましょう。方法は「売却金額ー売却必要経費ー発電所簿価」の式に当てはめます。「売却金額」は売って得た金額のことですからとくに難しくはありませんが、少し難しいのは「売却必要経費」と「発電所簿価」です。

売却必要経費とは

太陽光発電所を売却するのにかかった費用のことです。仲介業者に依頼して買手を探してもらったなら、仲介業者に支払った金額が売却必要経費にあたるうえ、チラシやWebへの掲載費用も売却必要経費になります。

発電所簿価とは

太陽光発電設備を造るのにかかった費用から、減価償却費を引いたものです。確定申告書の「減価償却費の計算」にある「未償却残高」の項目に掲載されています。個人で所有している太陽光発電所の減価償却に用いるのは「定額法」が一般的です。太陽光発電所の耐用年数は17年と定められているため、造るのにかかった費用を17で割った金額が、毎年引かれていくと考えればよいでしょう。

所得税=(売却益ー特別控除)×所得税率

売却益が計算できたら、いよいよ所得税額の計算です。方法はタイトルにある式に、それぞれを当てはめていきます。

特別控除とは

売却益にそのまま所得税がかかるのではなく、控除額を差し引くことができるのですが、その金額は得た所得の種類によって異なります。太陽光発電所の売却益は「譲渡所得」に分類され、特別控除は50万円です。譲渡所得とは不動産や株式など、手持ちの資産を売却することで得た所得のことです。

所得税率とは

所得税率は所得の金額に応じて、7段階に変わります。もっとも低いのは所得が195万円未満のケースで所得税率は5%です。195万円以上330万円未満で10%、330万円以上695万円未満で20%、695万円以上900万円未満で23%と次第に上がっていき、4,000万円以上の所得の場合、税率は最高の45%となるのです。この場合の所得とは手にした所得の総額を指しています。

たとえばサラリーマンの方が太陽光発電を売却したなら、給与所得と火力発電所の売却益の合計で税率が決まるのです。たとえば自営業の方で本業の調子が悪く赤字になっている場合、太陽光発電所の売却益は赤字額と相殺できます。なお所得税には税率が10%の方なら97,500円、20%の方なら427,500円、23%の方なら636,000円という具合にそれぞれ控除額が定められていますし、扶養家族のある・なしでも所得税率は変わります。お話したことは、あくまでも参考ということでご理解ください。

太陽光発電所の売却時にかかる税金を抑える方法

たとえば年収500万円の方が、太陽光発電所を売却して200万円の利益を得たならば、所得税率は23%。太陽光発電所の売却により納める必要のある所得税額は、概算で46万円にも上ります。この金額は大きすぎる!と感じる方は、以下のルールの活用を考えましょう。

長期譲渡所得ルールの活用を

太陽光発電所の売却には、不動産と同じルールが適用されます。それは「長期譲渡所得」なら適用税率が変わるというもの。先述したケースなら課税対象額は700万円ではなく、350万円と見なされるのです。

長期譲渡所得に認定されるには、5年以上の所有が必要です。5年以下なら短期譲渡所得とみなされ、所得税が控除されることはありません。つまり太陽光発電所を造って4年で売却するよりは、5年のほうがかなりの節税になるということです。

まとめ

少々の知識を持つことで、大きな節税が期待できるのが所得税です。一見すると仕組みは複雑ですが慣れてしまえば簡単、長期譲渡所得・短期譲渡所得という節税のポイントもすぐに理解できるでしょう。所得税の特別控除は太陽光発電所だけではなく、不動産の売却でも大いに関係してきます。

 

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