太陽光発電所を売却するベストなタイミングについて解説!
FIT制度の買い取り価格は年々下がっており、過去にFITに認定をされた、売電価格の高い中古の太陽光発電所に注目が集まっています。太陽光発電所の保有は節税対策になるため、売却するタイミングに悩む方も多いでしょう。売却にベストなタイミングについて、売却方法と査定のポイントと合わせて解説します。
太陽光発電所の売却方法ごとのメリット・デメリット
太陽光発電所の売却には、直接売却する方法や買い取り業者と契約、仲介業者と契約する方法があります。売却方法ごとのメリット、デメリットを紹介しましょう。
直接売却
売主が購入希望者と直接やり取りをして売却する方法です。自身の人脈で購入者を探したり、太陽光発電所の売却マッチングサイトで購入者を探したりします。仲介手数料を払わなくてよいのがメリットです。太陽光発電所の売却は複雑な手続きが必要なため手間と時間がかかる、個人間での取引はトラブルが起きやすいというデメリットがあります。
仲介業者を利用して売却する
仲介業者を利用した場合は、業者が売主と購入者の間に入り手続きをしてくれます。仲介業者が購入者を探してくれるので、手間と時間を省ける、複雑な手続きを任せられるのがメリットです。太陽光発電所の売却に特化した仲介業者であれば適正な価格を熟知しており、安すぎる値段で売却される可能性を少なくできます。仲介業者を利用して売却する場合は手数料を払わなければならない、購入者が見つかるまでは売却ができないのがデメリットです。現金化を急いでいる場合はほかの方法をとったほうがよいでしょう。
買い取り業者を利用して売却する
買い取り業者の利用の場合は、売主から直接、業者が買い取りをします。購入者を探す時間を省くことができるため、現金化までが早いのがメリットです。仲介手数料を払う必要もありません。時間をかけずに売却するため仲介業者を利用する場合より安い金額で売却される可能性が高いです。複数の業者で見積をして査定金額を比較して適正な価格であるか見極めてから契約をしましょう。
太陽光発電所を売却するベストなタイミング
太陽光発電所の売却には税金の支払いも関与してくるため、いつ売却をすればよいのか悩む方も多いのではないでしょうか。太陽光発電所の売却のタイミングには運用から5年と耐用年数の17年というポイントがあります。
運用から5年以上で売却すると課税が大幅に減少する
土地や建物などの資産の譲渡によって発生した所得を譲渡所得と呼び、譲渡所得には税金がかかります。太陽光発電所の売却によって得た収入もこれにあてはまり、課税の対象です。個人で所有の場合運用から5年未満の太陽光発電設備の売却は譲渡所得の全額が課税対象。
しかし、運用から5年以上たっている売却の場合、譲渡所得の半額が課税対象になります。運用から5年未満で売却した場合は高い価格で販売をできても税金を多く支払う必要があるでしょう。
土地も5年が境目です。5年を超えていれば所得税が15%、住民税が5%。5年未満で売った場合、所得税が30%、住民税が9%になります。高値で売却できたが思ったより利益が少なかったということも起こりうるでしょう。そのためにも運用から5年以上で売却をするとよいです。
減価償却は耐用年数の17年まで
減価償却費とは、資産の取得にかかった費用のすべてをその年の費用とせず、耐用年数に応じて配分して、計上するときに使う勘定科目です。太陽光発電所を保有していると減価償却として計上ができるため、法人税、所得税の節税につながります。減価償却は耐用年数の17年間の間に行う必要があるのです。太陽光発電所の費用を17年間は経費として計上し、所得を抑えて節税をすることが可能。
しかし、耐用年数の17年を過ぎると減価償却が行えないため太陽光発電所を所有していても節税のメリットがなくなってしまいます。中古で購入した太陽光発電所も減価償却の対象です。新品時の50%以上の価値で購入した場合は耐用年数の17年が減価償却の対象になります。購入価格が新品時の50%以下の場合は(17年‐稼働年数)+(稼働年数×20%)が減価償却の対象です。
たとえば稼働年数が10年の場合は(17年‐10年)+(10×20%)=9年が減価償却の対象になります。17年が経過している場合は、耐用年数の17年のうち20%である3年が減価償却の対象です。新たに太陽光発電所を購入する人も長く減価償却のメリットを利用したい場合が多いので、耐用年数の17年を過ぎる前には売却をしたほうがよいでしょう。
太陽光発電所の売却時の査定ポイント
2020年より、FIT制度では自家消費率を30%以上にするという要件が加えられました。2020年4月1日以前にFIT認定を受けた太陽光発電所は発電をした電気の、全量買取りを選択できるため売電収入としてのメリットが大きいです。電気の売電価格も年々下がっており、現在よりも高価格な売電価格でFIT認定がされた、中古の太陽光発電所は安定した投資として注目を集めています。
売電実績と固定買取価格制度(FIT)の残り年数
太陽光発電所を売却するときの価格は、売電実績と固定買取価格制度(FIT)の残り年数をもとに、決められます。売電実績がよくFITの残り年数が多ければ比較的早く売却ができるでしょう。メンテナンスが行き届いているか、台風や雨などの自然災害のリスクが高い場所でないか、近隣とトラブルがないかも査定のポイントになります。
出力抑制エリアではないか
電力を安定的に供給するためには、電力の需要と供給のバランスを保つ必要があります。供給が多すぎる場合は、電力会社が一時的に太陽光発電所の電気系統への接続を制限し抑制をします。このことを出力抑制と呼び、出力抑制がされている間は売電ができません。
東京電力、中部電力、関西電力の管轄内では10kwから50kwは出力抑制の対象外ですが、そのほかの地域では、1年のうち360時間出力抑制が可能な場合や出力抑制の上限がない地域もあります。出力抑制の対象ではないかも売却時の査定ポイントです。
まとめ
ここまで、太陽光発電所を売却するベストなタイミングについて解説しました。売却時にかかる税金が少なくなる運用から5年と、減価償却の対象ではなくなる運用から耐用年数の17年が売却時のポイントになります。高い価格で売却できたても、税金を支払い利益があまり残らなかった場合もあるようです。タイミングに気を付けて売却をしましょう。現金化を急いでいる場合は買い取り業者、適正価格以上で売却したい場合は仲介業者を利用するとよいです。売却時にはFITの残り年数と運用実績をもとに査定をされます。Webや電話で査定申し込みを行うことができます。売却を考えている場合は査定を受けるのもよいでしょう。